1 概要
本講座は,TAの理論を実践する一つの方法として,マインドフルネスを取り入れて実践することによって,TAの理解,経験,習慣化を図ろうとする考えのもとに企画されたものでした。
【スケジュール】
・TAの哲学,人生脚本のおさらい
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・マインドフルネス,呼吸・瞑想の説明
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(休憩)
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・呼吸,瞑想の実践
2 人生脚本とマインドフルネス
(1)人生脚本
・人生早期に親の影響で発達し, (覚えていないので気づきにくい)
・現在も進行中のプログラムで, (進行していることに気づかない)
・個人の人生の最も重要な場面で
どう行動するかを指示するもの (主にストレス,緊張度が高い場面で働く)
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脚本から解放されることを目指す必要性
(ただし,幼いころの決断というのは,人間として精一杯頑張って決めたことで,
成長途中の素晴らしい姿であり,決して人として劣っているというわけではない。)
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脚本は,身体反応として現れる。
(例:胃に不快感,胸の痛み,のどの違和感・・・)
(2)マインドフルネス(「心をとどめておくこと」「気づき」)
脚本から解放されている感覚=心身が軽い,リラックス状態
無意識の脚本選択を変える。
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呼吸と瞑想の活用(今この瞬間に意識を向け,ジャッジしない。)
スローガンは・・・
「気軽に,気楽に,気長に」
(3) 呼吸法
【ロング・ブレス(丹田長式呼吸法)】
1 下丹田(臍の下10㎝くらいの所)の上に両手を重ね合わせます。
手のひらの「労宮」(手のひらの中央で,手を握ると中指の先端が手のひらに当たる箇所)と下丹田が一直線に重なるようにし,男性は左手を,女性は右手をお腹側に当てるようにします。
2 息を口からゆっくりと吐き出すとともに,下腹部(丹田周辺)をへこませるようにします。身体にたまっているストレスや嫌な感情を吐き出すイメージで行います。
このときにストレスや嫌な感情に色をつけてイメージすると効果的です。
3 息を吐ききったら,鼻からいっぺんに息を吸い込みます。
合わせて下腹部を大きく膨らませていきます。
4 下腹部を膨らませたまま,しばらく息を止めます。
5 丹田を意識しながら,②③④を七,四,四(7秒、4秒、4秒)の割合で続けます。
1分間に4回の呼吸です。
(4)瞑想
心を静めて自身と向き合い,今の自分の心がどう感じているかを探索する。
→ドライバーや禁止令が潜んでいる思いや感情に気づき,自身の内側を客観的に見ることができるようになる。
【方法】
1 椅子に座り,手は軽く膝の上に置きます。
2 ゆっくり深呼吸をします。
3 静かに目を閉じ,呼吸を意識します。
4 瞑想を終えるときは,ゆっくり深呼吸をします。
5 ゆっくり目を片方ずつ開けていきます。
【瞑想を行う環境】
1 瞑想に適した場所
・最初は一人で居られる,静かな場所
・移動しているとき(電車やバスの中)は行なわない。
・座った状態で行う。横になっては行わない。
2 瞑想に適した時間帯(ベストな順)
・早朝(昼食前)
・夕食の前
・就寝前
※ 食事の直後,真夜中(1:00~3:00)は行なわない。
3 瞑想にかける時間
・最初は5分くらい。
・少しずつ長くしていき,20分くらいにする。
3 参加した感想
確かに,私自身もこれまでTAの勉強を進め,理解をしてきたつもりです。しかしながら,その後,学んだ内容についてより理解を深めたり,具体的に日常生活に取り入れたりといった実践,経験に乏しいと感じていたので,今回の企画は,非常に興味深く感じ,参加しました。
実際に,呼吸法と瞑想を実践してみると,参加者の中からは,眠くなったり,身体が温かくなったりといった感想が聞かれました。私自身は,雑念が多く湧き,少し身体に痛みがありました。瞑想中に起こる現象は,百人百様のようです。
私のように,特にTAの理論を実践する体験をしてみたいと思っている方は,一度マインドフルネス的な方法も経験してみませんか。是非一緒に「気軽に,気楽に,気長に」やっていきましょう!
講師 井手之上 修 准教授