受講レポート

関東支部特別セミナー 『人格適応論(初級)』~基礎理論の学習と自己理解~を受講して

交流分析士インストラクター  小澤 靜

2022年11月5日・6日関東支部研修会「人格適応論(初級)」が開催されました

 講師は、臨床心理士・公認心理師・国際TA協会認定交流分析士(サイコセラピー)であり、臨床心理の道ひと筋○十年(とても若々しい先生ですが40年以上)の鈴木佳子先生です。

初級の講座は4年振りで、開催を待ちわびた受講生が多数おられました。

 今回の初級の内容は、サブタイトル通り~基礎理論の学習と自己理解~を念頭に置きつつ、セミナーの目的「交流分析的人間理解」、交流分析、人格適応論の発展と基礎、タイプの識別、ラポール形成、体系的な見立て、実践(的確な働きかけ)等、これらを2日10時間を通して教えて頂きました。受講生22名全員が熱心に参加され、ワーク交えて質問・感想等多数あり、時間が足らないほどでした。鈴木先生は常に優しく、明確な説明をされており、講座後半の受講生への対応では、おそらく適応タイプに準じた応答をされ、“ビシッ”と或いは“優しく”決してゲームにしない的確でスピーディーな対応に「すごいなあ」と感嘆しておりました。

 私はと言いますと、初めての学びに大いにモヤモヤして、脳神経細胞同士が繋がりそうで繋がらない…。詳しく内容を知りたい方、教えられませんよ‼ そもそも教えられるほど理解が深まっていないので、知りたい方は次回鈴木先生の講座を受講して私と同じようにモヤモヤ体験をしてください。

 

 さて、自分のネガティブケイパビリティを育てただけでは勿体ないので、恥ずかしながら感想を少々述べ、整理してみます。

●セミナーに参加した目的

 産業カウンセラーとして仕事で面談を行う際に、普段無意識に、少ない経験則で直感的にやっているペーシングには、実はもっと理論的な裏付けがあるのではないか?

人格適応論を初級→中級と学ぶことで、面談の際の『見立て』が変わったり、より適確な、より効果的な相手との関わりが出来るのではないか?そんな期待を胸に、TA心理カウンセラー同期生からのご案内に有難く参加させて頂きました。

●自己理解

まずは基礎だ、自己理解だと、張り切って…自分の適応タイプを探します。

①  社交上のスタイルの好み;『完成したプロセスモデル』…「関わる⇔引きこもる」?

場面により(ストレス負荷の)違うし、時間軸でも変化してる?現在だよね?う~ん…。

 そもそも「引きこもる」の定義は何だろう?3領域に該当する…使い分けている?

②  ドライバー;「強くあれ」「他人を喜ばせよ」これは2領域でタイプ2つ?3つ?…。

③  脅威に対する反応;仕事場面で「強迫観念型」プライベートで「スキゾイド」か

④  総合的行動パターン;

<行動上のための適応タイプ>…「演技型+強迫観念型」割合6:4

     <生き延びるための適応タイプ>…「スキゾイド型+反社会型」5:5

○親の養育スタイル;「スキゾイド」~ありがたい放任状態

 

●モヤモヤポイント

*結局、自分の適応タイプが明確に分からない。『スペクトラム』で『グラデーション』だ‼

「自分らしさ」とは何でしょう?そういえば、仕事で困った時は、人と違う新しいやり方をやっていたような…いないような。昔のことは記憶の引き出しの奥…過去にヒントが。

「健康的な人は4分類のどこにも行き来する」て講座中に聞いたかな…。

そもそもこの理論は、臨床場面から精神医学や臨床心理学の専門家が発見した分類であるからして、この6タイプにピッタリはまらなくても不思議ではないかしら?

宇宙飛行士の採用や教育に導入されたというが自分は宇宙飛行士ではないし、米国と日本の人種・文化の違いかしら?…と理解の外にあるものを眺めて、楽になろうとするのです。

 

*鈴木先生も講座中に何回か「人間のことなので、必ずスッキリできるものではない」と仰っていました。入口で足踏みしている自分を受け入れ、仲間とシェアしてみます。

まだ初級だから仕方ないか、次の中級を学んでみよう。また変わるでしょ…。

その内に鈴木先生が『新・人格適応論』みたいな理論を構築して下さり6つの適応タイプ以外の領域や、グラデーションタイプ?みたいな新しいタイプを加えて下さるかも…。

等々、あ~でもない、こ~でもないとモヤモヤして今に至ります。

 

ご一緒に初級を受講された方々はそれなりにご理解頂けるかも知れませんが、「人格適応論」未経験の会員の皆様には、この感想文こそが『モヤモヤ』のプレゼントです。

 

●結論

 関東支部の研修部会の皆様、来年『人格適応論(中級)』の講座開催や初級・中級フォローアップ等、どうぞよろしくお願い致します。

 また、二日間優しく根気強く教えて下さった鈴木佳子先生、講座の企画やスムーズな進行にご尽力された事務局の皆様に、心より感謝申し上げます。

 

研修の醍醐味でしょうか。数回のワークでお仲間と語り合った内容も心に残っています。

冒頭のワーク「自分の人生にタイトルを付けるとしたら?」は、やってみて味わい深いものでした。私の人生タイトルは当初、『思えば遠くへ来たもんだ~旅の終わりはいずこへ』でしたが、講座の終了時に少し変化していました。皆様、また中級でお会いしましょう。

『思えば遠くへきたもんだ~旅の終わりは私の心満たされる場所へ』 

 

 

 貴重な学びの機会をありがとうございました。